PROFILE
慶應義塾大学 経済学部卒。銀行勤務を経て、1998年に父が経営していた義津屋に入社。食品担当を経験後、社長室長・副社長を歴任し、2004年に社長就任。創業時より受け継いできた地域とのつながりをさらに強めるべく、「人と人の触れ合い」を重視した経営を行なう。
モノを売る前に、
「地域のために」が
ヨシヅヤを語る上で欠かせないエピソードは、1959年の伊勢湾台風です。多くの方が被災し食糧も不足するなか、当社で何かできることはないかと、パンを仕入れて地域の方に舟で配りました。すると営業再開後、多くのお客様が店舗を訪れてくださり、売上が当時最高を記録。「単にモノを売るだけでなく、地域に貢献することが店舗の発展にもつながる」という私たちの考え方は、この時に形成されました。
以来、ヨシヅヤでは「地域のお客様のために」を追求することがDNAとなっています。常に新鮮な食品を揃えることも、休憩や買い物がしやすい店舗レイアウトをつくることも、足が悪い方に合う靴をお勧めすることも、地域のイベントに参加することも、全てはお客様に優しい会社であるため。高齢の方や小さなお子さんといった社会的に弱い方、困っている方も安心して利用できるような、街のコミュニティスペースになることが私たちの価値だと思っています。
これから一緒に働く方にも、「優しさ」を大切にしてほしいと思います。それは難しいことではなく、例えば顔見知りのお客様に「いつもありがとうございます」と必ず声をかける、といった小さなことで構いません。だって、毎回そう笑顔で言ってもらえたら、絶対ファンになりますよね?日々の小さな積み重ねこそが、お客様からの強い信頼につながっていくんです。人とのコミュニケーションをいとわず楽しめる方なら、きっと活躍できます。
ビジネスのあり方も、働き方も急速に変化している時代です。でも、人と人のつながりというのはこの先も変わりません。だからこそ私たちは、店舗を通じて街とつながり、お客様に近づくことを大切にしていきたい。将来的には、地域の方のお困りごとを聞く専門部署ができたりするかもしれません。「この街が好き」「地域の人たちに貢献したい」という想いを持って働いてくれたら、本当に嬉しいですね。